周の雑読備忘録「古井由吉『漱石の漢詩を読む』」を読みまして、私は漱石が好きだったという絶海中津（１３３６〜１４０５）に興味を持ちまして、この岩波書店の「新日本古典文学大系」で、彼の『蕉堅藁（しょうけんこう)』に触れてみました。
書 名 五山文学集
発行所 岩波書店
定 価 ３，１００円
発行日 １９９０年７月３０日第一刷発行
この本は、絶海中津だけではなく、ほかの詩人の漢詩もあります。ただ、この『蕉堅藁』がこの本の半分以上を占めています。
目次は以下の通りです。
目次
収録作品一覧
凡例
蕉堅藁（絶海中津）
五言律詩
七言律詩
五言絶句
七言絶句
空華集抄（義堂周信）
済北集抄（虎関師錬）
岷峨集抄（雪村友梅）
寂室和尚語抄（寂室元光）
南游・東帰集抄（別源円旨）
東海一 集抄（中巌円月）
丱餘集抄（愚中周及）
了幻集抄（古剣妙快）
解説
五山の詩を読むために
私は昨日絶海中津の作品のみ眺めましたが、私にはやはり律詩は歯が立たず、七言絶句のみは読めたものでした。
でも、註を読みながら、どうやら註にある解説の中国の時代、古典の内容は少しは知っているものなので、少しは安心しました。そして、それで、その内容で、また私が新たに知ったことがあります。
それにしても漱石という人はすごいですね。こんな方の漢詩を好きで読んでいたのですね。そしてまたこの絶海中津という方もすごいですね。これだけの漢詩の数にも驚きますが、最初に次のようにありました。
現存の『蕉堅藁』所収の作品は、明らかに作者自らによって厳選されたものであり、選び捨てられた作品は相当の数にのぼるものと推定されるからである。
もうこれで、私なんかは、ただただはるかに及ばない自分を感じるだけです。
今後この人の詩をいくつか『周の漢詩入門（ブログ篇）』で扱います。
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