この中国の風習も判らないものです。確かに、女性の足は大きいより小さいほうが可愛く見えるのかもしれません。でもこの纏足は実際に女が歩けなくなるように、足を変形させてしますものです。そして実にことことは２０世紀まで行われていたのです。パールバック『大地』でも貧農を抜け出した主人公は、それまで一緒に苦労してきた妻の大足を嫌い、纏足された女を好きになります。この彼は、死ぬまで一緒に苦労したはずの妻が好きになれません。大足だからです。もうどう見ても私はそんなことを実際にやっていた中国が嫌でたまりません。
私がきょう書きました（これは私が別なサイトに書いていたのです）、「ユン・チアン『ワイルドスワン』」でも主人公のお母さんはこの纏足のおかげで実際に自分の足で歩くことはできません。絶えず屈強な男たちに台の上に担がれて中国全土を走りまわります。このお母さんの元気さには尊敬の気持を持ちますが、けっこう豊かな階級でないと無理なことだったでしょう。
実は纏足の足は実に臭いといいます。それはいわば、無理矢理に足を極端に変形させるのですから、毎日それを綺麗に保つのは大変なことだったろうと思われます。
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