日本の進歩的な連中が護憲っていうことをずっと言ってきましたね。ぼくはずっと護憲には反対でしたね。
おかしいですよ。それで、根本モチーフは平和憲法だって言うんですけど、ぼくは平和憲法っていうよりもっと、これは戦争と戦後の境界をよくみたらわかるんで、天皇が国民統合の象徴であるというのを抜くか抜かないかの方が、重大だったと思います、敗戦時と、敗戦後とで。そこでこそ戦後の歴史をぼくは見たいと思いますね。平和であるかどうかということよりもそこでぼくは見てきたように思います。そこが突っかかってきたなと思うから。ぼくは護憲っていう人、またそういう勢力があまり好きでなかったです。そういう進歩的な人っていうのは嫌いだなって思ってきました。
（「戦後の歴史と文学者の死・いかに死と対峙するか」鮎川信夫との対談1980.12「現代詩手帖」思潮社に掲載 「詩の読解」1981.7.1思潮社の「戦後の歴史と文学者」として掲載）
日本国憲法での問題というと、第１条と第９条に対する私たちの思いの乖離である。この「国民統合の象徴」というのがとれていたら、共産党を支持する奴がいなくなるだろうし、部落問題なんて無くなってなっていたのではないかと吉本さんはいう。よく分かる気がする。なんにしても、そうした世界はいいだろうな。
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