12020305銀行にはもっときびしく！　投稿者：香花 　投稿日：02月11日(金)11時51分29秒

　これにどうＲＥＳしようかと悩みまして、書き込みが遅れてしまいました。
　まず、たしかに、石原都知事の言うこと、やろうとすることは気持よく響きます。各銀行の多くが、過去にやってきたこと、そして現状を見ても、腹のたつことばかりです。私は、よく各クライアントで、こうした銀行を貶しています。そして、なんとか、こうしたふざけた銀行および政府系金融機関（はっきりいうと、私には一般銀行よりも、こちらのほうがひどく思えますよ）には、頼らなくてもいい強い体質の会社を作り上げたいと日々努力しております。
　ただし、私も経営コンサルタントとして活きている以上、やはり原則はいわなければならないでしょう。

   大手銀行には、最終利益とは関係なく事業規模に応じて税金を
払ってもらう――。

　私はやはり、これは駄目だと思います。銀行であれ、やはり私たちの回りにある中小零細企業と同じく、利益を求めていく法人企業です。求められるのは、健全な経営であって、「お前は、大手銀行だから、特別だ」というのでは、過去現在において、政府は銀行を優遇したのと、ただ逆のことをやるだけではありませんか。これをもし、認めてしまうとしたら、やがては、全法人も同じ基準で、さらには、商売をやるものは、すべて同じ基準でとなりかねません。税金を、まったく誰からも同じ基準で徴収するというのは、消費税のような間接税には当りまえですが、直接税である、法人税や地方事業税は、あくまで「利益」に課税すべきであり、かつ中小企業の優遇はまだあるべきです。「大手銀行だけ」は、「利益ではなく、別な基準でやる」というのでは、では、やがては、「銀行だけではなく、生保も、そして、損保も、そして、そして、大企業も、そしてそして、法人会社はすべて」となりかねません。　そもそも、石原知事は、「大手銀行」の定義をしているのでしょうか。都市銀行のことか、地方銀行も含むのか。相互銀行は、どうなのか。信用金庫は？信用組合はどうするのか？　とさっぱり判りません。信用金庫と言っても、東京都には、都市銀なみの規模のところもあるのですよ。その逆に地方銀行と言っても、小さなところもあります。(註１)
　そして、現在大手の銀行では、もうそれこそ自分のことばかり考えていて、中小企業のことなんか、何の世話もしようとしないところもあります（合併しようかという有名大手銀行だぞ）。逆に大手銀行だけれど、懸命に政府の中小企業対策の資金をなんとか中小企業に貸し出してあげたいと動いてくれる銀行もあるのです。
　石原知事は、政府の大臣を「あの人はお役人でしょう！」と言ったようですが、この石原都知事の言うことも、お役人の発想と変わらないように思いますよ。相手が銀行だから、どうしても私たちが拍手喝采してしまうだけじゃないですか。

　そもそも、東京都のような地方自治体が、どうして税収不足になったのですか。あのバブルの時代に、東京都中央区の受けとった法人都民税が、東北地方６県の法人税収入（これは国税です）を上回っていたというのを聞きました。ようするに、銀座等々での不動産地上げのお金が税収の増大になったわけだ。バブルで、あぶくとなったお金を手に入れたのは誰だったのでしょうか。次の連中です。

　Ａ．日本の各企業
　Ｂ．外国の投資家
　Ｃ．日本という国
　Ｄ．各地方自体体

　うまくやりましたのは、Ｂでして、Ａは、その後ひどい目にありました。さてさて、Ａの各企業は、そこに活きる社員、役員、株主も、

　　しかたない、いい目もあったが、ひどい目にもあった。でもこ
　れから必死に働こう

としてします。Ｂはおっかけようがありません。さて、さあーて、では、ＣとＤには、そのとき儲けたお金を私たちに還元してもらおうではないですか。
　たしかに、大手銀行には不愉快なことがたくさんあります。でも私に言わせてもらえば、政府系金融機関のほうが、もっともっとふざけていますよ。私はたくさん見聞しています。そして都や国もふざけたばらまきをやってきたではないですか。
　石原都知事は、こうしていろいろとぶち上げるのはいいのですが、まずは言ったことを淡々と実行していただきたい。「都のバランスシートを公開する」と言ったじゃないですか。私はあれには感激しました。
　国および地方地自体には「複式簿記」という概念がありません。「収入−支出」という単式簿記しかありませんでした（バランスシートがないのだ）。だが、鈴木都知事の時代から、さまざまな資産（資産・負債の限りなく現在に近い状態を示すのが、バランスシート貸借対照表ですね）というべきものを購入しているじゃないですか。そのもっている土地、建物、株式等々のものは、いままで情報公開されてきませんでした。鈴木知事のときに、驚くほどたくさんの絵画を海外から購入していますが、それがどのくらいの数があって、もの自体が何であって、時価としてはいくらと言えるのか、などというのは（いわば、都が会社組織としたら都民は、株主です）、株主として、会社の資産の明細を知るのは当然なことです。同時に都の負債も知らなければならない。
「赤字だ、赤字だ！」といわれるが、その赤字は、「貸借対照表」では、どのような負債項目で一体いくらになっているのか？　こうした点をこそ、私は石原知事が公開してくれるのだと思っておりました。だから期待したのです。
　別に、その都の財産である、土地建物や絵画等々の詳細が判ったとしても、私は、「それを売れ！」とかいう訳ではありません。それは都民みんなできめることでしょう。それよりも、私は、価値はさておき５千万近くした絵画（５千万円未満だと都議会の承認を必要としないために、随分この値段で買ったそうな）を、倉庫に保管しておくのではなく、ぜひとも、小学生や中学生にまで見せてほしいからです。美術品って、そのためにあるんじゃないの。
　私は、

「公的資金」をもらって、優遇されてばかりいるなんて、ふざけす
ぎです。

も同感します。

この程度でつぶれる銀行なら、もっと前につぶれていたほうが
よかったくらいです。

　これも同じ気持を持ちます。
　でもでも、やはり原則は、私が上に述べたようなことであるかと思っております。 (2000.02.13）

(註１)　このことで、すぐ私は以下の訂正のＵＰをしました。
　その日のテレビで出てきました石原知事の発言で彼は「大手銀行」というのをちゃんと定義しているのを知りました。

　　資金量５兆円以上の約３０行に対して、所得ではなく業務粗利
　益に３％の税率をかける。来期２０００年から５年の時限措置
　（註２）。
　　これで年１，１００億円の増収が図れる

ということです。石原知事は、「もう面倒なことは駄目だ、簡単に、簡単に！」というような言い方をしていました。「とにかくこれで、増収が図れるのだから」なんていう言い方もしていました。
　なるべく簡単に、取りやすい（都民も、各政党も反対できないだろう）ところからとろうというのが、もう堂々と言っているところのようです。
　私は先に述べましたように、どうしてもこうした一部の業界会社に不公平なことをする政策というのは、認めたくありませんが、それにしても、その私も

　　相手が、あの銀行ならな、やってもいいよなあ

なんて気持がわきあがってきてしまうのは、過去現在の銀行の姿から間違いないところです。

（註２）「時限措置」だと言って、そのまま続けられている税法がありますね。現在の源泉徴収制度は、昭和１６年に戦争遂行のために「時限措置」として、始められたもの（正確には明治３２年にこの源泉所得制度ができましたが、現在の形はこの年）です。
  戦後昭和２４年に、米国からシャウプ博士他がきまして、いろいろと調査して、「シャウプ勧告」を出します。これは、「源泉徴収制度」そのものはは評価するが（この国にだけ都合のいい制度にはシャウプ博士は驚いたようです）、源泉徴収制度と一体となった年末調整制度を廃止するようにとの勧告でした（ほかの勧告もありますが）。これによって、日本人のサラリーマンには、きわめて納税の意識が薄くなるからだと思います。でも、米国のいうことなら、なんでも聞く日本だったのに、これは認めませんでした。だから、今もそのまま続いています。これはたしか「時限」だったのじゃないかな。

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