この作品の世界ももはや明治時代なのですが、今後どう展開するのでしょうか。おそらく天朝様の出現も六兵衛には思いもよらないことなはずです。
木戸孝允といえば、世界初の新婚旅行をした男なのですが（坂本龍馬もお龍と新婚旅行をやっていますが、桂小五郎と幾松のほうが数ヶ月早い）、そのことを思い、また昨日書きました「インヤ、ソゲンコツケッシテナリモハンド」という西郷の言葉は今も私には聞こえる思いなのです。
この木戸孝允の「長州の木戸です。何なりと物申されよ」を加倉井隼人は次のように思います。
甘い、と隼人は思った。
どうしても木戸は今もこう思われてしまうのかなあ。でも幕末のあの数々の修羅場をくぐりぬけているのはこの桂小五郎なのです。かの池田屋事件のときにもわずか少し前にあそこを抜け出しているのです。
隼人は感心した。言うところは理路整然としていて実に雄弁である。・・・・・・。・・・・・・。
ところが、六兵衛はいささかも動じなかった。いかにも木戸を軽蔑するように半眼で見くだし、もし隼人の聞きちがいでなければ、「フン」と鼻で嗤うた。
どうして六兵衛はこうなってし
まうのだろうか。これでは大久保一蔵がいうような事態になってしまいます。それだけはさけてほしいし、それには六兵衛も協力すべきだと思うのです。私はそれをこそ黒書院の六兵衛に希望します。
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