今ずっとここ将門Ｗｅｂのある過去ログを読んでいました。この小説を読まなくちゃなと思い、また新聞で読み直しました。
この日は次郎長がいちばん熱くなっているようだった。ひときわ大音声が聞こえてくる。
次郎長は清水港より、お茶を出したいのです。清水港から出せば、「こっちからじかに輸出すればどんだけ安くすむか、わしが山県さんに話しィにいってやらぁ」。山縣有朋と話をつけようというのです。
ここにはおちょうもいるのです。
おちょうは、いつもながら「掃き溜めに鶴」のようだ。
小柄で小粋な女である。
そのおちょうが気がつくのが、このけんなのです。
「お風呂に水、またひとりで汲んだのかい。声をかけりゃだれかが……おまえのが早いね」
あたりを見まわして、おちょうは苦笑した。
このけんが私にはとてもいとしく思えてしまいます。
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