金子みすヾが最初に投稿した詩が以下のものです。
お魚
金子みすゞ
海の魚はかわいそう。
お米は人につくられる、
牛はまき場でかわれている、
こいもお池でふをもらう。
けれども海のお魚は
なんにも世話にならないし
いたずら一つしないのに
こうしてわたしに食べられる。
ほんとに魚はかわいそう。
この詩を読んだときに、私はどうしても涙が湧きました。それは１年前の７月のことでした。もう私も金子みすヾの詩はいくつか読んできていました。もう金子みすゞの感性は少しは判ってきていたはずだったのですが、でもそのときにはどうしても涙が湧いたものでした。
今は涙を浮かべるのではなく、この詩のことを懸命に考えています。何度も読み返しています。
目の前の食卓にある魚のことを、どうしてこういうふうに考えられるのでしょうか。私には到底あり得ないことです。昨日もビールとともに普通にお刺身を食べていました。
そして金子みすゞは、その自分のうちからの思いをそのまま言葉にしています。
この詩は七五調の詩と言っていいのでしょうか。そうしたことは私には少しも判りません。そんなことは意識しなかったのかなあ？
とにかく、この詩も私は忘れることはないでしょう。
この詩は、「金子みすヾ童謡集 わたしと小鳥とすずと」（ＪＵＬＡ出版局）で知りました。