ロマン・ロランは、１８６６年１月２９日～１９４４年１２月３０日の生涯でした。私はこの著作の他は、『愛と死との戯れ』『ピエールとリュス』『ベートーベンの生涯』を読んでいます。みな中学生のときでした。
この『ジャン・クリストフ』は、みずず書房の片山敏彦訳で読み始め、中２のときに全４冊のうち２冊まで読んだものです。 そのあとは私が当時住んでいた鹿児島では手に入らなかったものです。高校１年で横浜に移り、そこで残りの２冊を読みました。
ベートーベンがモデルであり、この本の中でもたびたび主人公クリストフは、ベートーベンのことを述べています。
ただ私が「ベートーベンがモデルだ」というと、物語の中でベートーベンの姿が出てくるところがあると言って非難されたことがあります。私は、モデルと言ったので、主人公と言ったのではありません。そんなことも分からない人がいるのですね。
ロマン・ロランは、第一次世界大戦で、仏独に対し平和を訴えますが、すぐに世界は次の大きな大戦になってしまいます。だがこのときにはさすがに反ナチの姿勢を顕にします。
ただ当初はロシア革命後のソ連に期待していますが、独ソ不可侵条約の締結でソ連にも失望したようです。
パリ解放の報を受けたあと永眠します。
ロマン・ロランの言葉です。「私は胸を痛める必要はありません。人類は遅々とではありますが、やはり前進しているからです」。私も甘いとは言われても、この言葉はそのとおりだと思っています。
私は現在も世界は人類をいい方向に歩ませていると思っております。（2011.01.12）
