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 私は一つ前の 周の『独楽吟のススメ』の3 で「希望」という言葉文字になにか惹かれていました。これはすぐに兵頭正俊の『希望』という作品を思い出したのです。私が以下に書いているのですが、

  http://shomon.net/books/books15.htm#hyodo 兵頭正俊「死了魁

 これは兵頭正俊さんの『全共闘記』という膨大な連作の中の最後の作品です。この連作は、

1.助け舟
2.霙の降る風景
3.二十歳
4.猶予の四日間
5.死了
6.三月の乾き
7.
8.狼煙
9.鏡の国の政治家
10.明日に
11.希望

の作品群の連作であり、8、9、10、11は未来の話だったと思います(今我孫子の自宅ではないので、本が手に取れません。でも手にしても、みんな梱包してあるんですね)。
 未来の世界をえがいている「喩体集」だと思いました。
 この「希望」は、未来の世界の日本の近くの南に位置する島の世界で展開する話で、その中では、人間ではなく、大きなねずみが動いています。私は、この「周の『独楽吟のススメ』の3」で、『希望』という文字に、真っ先に、大きなねずみを思い浮かべていたのです。たしか、このねずみとその島で懸命に動いている政治家の涙を覚えていますね。

 思えば、「希望」っていい言葉文字ですね。でももう今の私なんかには、遠い言葉文字になってしまいました。
 この『全共闘記』では、1の『助け舟』では、実朝のことと、源平の一ノ谷の戦いでの平敦盛の死もえがかれていたかと思いました。いや、今本を実際に見ているわけではないので、またちゃんと見てみたら、また書いてみます。

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