将門Ｗｅｂ

周が日々仕事であちこち歩いたり、友人や家族と話した中で感じたことを発信しています。

Tag：外形標準課税

12020709　私は、石原慎太郎東京都知事が、いわゆる「外形標準課税」ということで、増税案を出して来て、しかもほとんどすべての党派が戦前の大政翼賛会のような形で、それに賛同していくことに大変に嫌な思いを抱いたもので、このページを作ったものなのです。今では、Googleで「石原都知事」といれますと、真っ先にこのページが出てきますから、石原慎太郎にとって、私のサイトは嫌なところになっているでしょうね。
　ところで、その私の抱く石原慎太郎への思いを一変させてくれた彼の発言があります。今月８日に産経新聞に書かれた「日本よ」という連載の「時代錯誤な金融政策」という一文です。私は「けっこういいことを言っているじゃないか」という思いなのですね。
　以下一部引用します。

　しかしそれにしてもわざわざ新設された金融庁の姿勢があんなものでいいはずがない。政府は一昨年から従来地方自治体が監督していた、信用組合という末端の地域金融機関の監督権をも中央政府に取り上げ監督に乗り出した。その引き金は、東京の信用組合のかつての不祥事ではあったが。そして、彼等が末端地域の金融機関に押しつけた金融における基準は大方大手の銀行と同じものでしかない。例えば通達されている基準の一つは、企業の会計の数字の字面の上で債務超過している企業には一切融資は許されない。それが仇となって地域々々の零細企業に対する金融はたちまち硬直化してしまい、倒産が続いている。小零細企業の密集している東京の大田区ではすでに、従来八千社在った企業が五千にまで激減してしまった。

　信組といったローカルな金融機関と融資を受けている企業の関わりは、決して帳簿の字面の上だけのものではなく、狭い地域での企業主と貸し手側の人間関係を通じての互いの評価と信頼の上に成り立つ場合が多い。しかし当然貸し手側には預金を預かる者としての責任はあるから、いかに情実とはいえ無謀な融資は許されるものではない。がなおそれを、数字だけを構えて大手と同じ一律の基準でくくってしまうということは、地域に密着した群小の金融機関の特性を殺ぎ落とし、地域の零細企業のせっかくの可能性を抹殺しつくすことにもなりかねない。

　先日テレビで目にしたある信用組合支店の苦労についてのルポルタージュでは、優れた技術を持ち優れた業績を上げてきたある零細企業と、今までの身近な付き合いから彼等の可能性を理解している信組の支店長と店員たちが、金融庁が新規に構えた基準の中で、役所への報告をいかにレトリックして、企業を守るための融資を続けるかに苦労している様を極めて印象的に映し出していた。

　彼等が相手にしている二つの優秀な典型的零細企業は、そこで作っている部品はそれぞれの大手の親会社にとって不可欠のものだ。片やは親子二人、片やは親夫婦と息子三人が働いているが、最近欠陥品が増えてきたためにそれぞれ決心して七、八千万ほどの新しい機械の購入に踏み切った。

　資本金がせいぜい二、三百万程度の有限会社だから、償却を計上すれば機械を購入した瞬間から会社は債務超過となってしまう。そして金融庁が信用組合に通達した金融の規範では債務超過の会社への融資は禁じられている。その制約の中で、日頃よく見知っていて評価もしている相手に、金融庁への報告をいかにレトリック、つまりごまかしてでも融資を続けてやるかという腐心の明け暮れの実態だった。

　この期に及んでもなお政府は、日本の従来の担保主義の金融システムを、担保能力以外の企業の可能性を評価して行う融資に変質させるべき複合的な努力を一向に講じてはいない。しかたなしに東京都は独自に、ＣＬＯからさらに直接金融に近いＣＢＯの発行という手立てで小零細企業ヘの融資援助を講じてきたが、先に日銀はＣＢＯについての商品価値を正式に認定しもした。やがてはこれをナスダックのような市場に育てたいと思っているが、本来これは国が乗り出して行うべき仕事だろう。

　地方分権の時代というのに、地方においての地域性を生かしての金融の監督権までを全て中央集権として国の手に集めて、国家の基幹産業を底辺で支えている中小企業の息の根を止めてしまう金融政策を敢えてとる姿勢は官僚の時代錯誤としかいいようない。私が目にしたそのテレビ・ルポルタージュの最後に大蔵省出身の金融庁大臣は正面切って、金融庁の規範から外れるものはそれぞれの世界から消えてもらうしかないと、冷然といい切っていた。私はそれを驚きをこめて唖然、暗然たる思いで眺めていた。我々のいうことが聞けないなら、勝手に死ねということか。

　私はこれを読みまして、「あ、そうか石原慎太郎は大田区なのか」と思い出しました。大田区のとくに蒲田地区は、日本の最先端工業技術を本質的に支えている中小零細企業の集まっているところです。この日本を支えている中小企業がたくさんあると言っていいでしょう。優秀な技術力を持ちながら、みな資本金も小さいし、かつ余裕ある資金力も皆無です。でもそうした優秀な技術力と、その中小企業主の誠実な人柄を見こんで、地域の小さな金融機関である、信用組合は融資をしてきたわけです。それが、この地域の企業を支えてきたわけなのです。
　それを国は、官僚たちは何をしようというのでしょうか。この石原都知事の指摘はまったくその通りです。
　同じ大田区と言っても、大森と蒲田ではまったく違います。大森には田園調布があるように高級住宅地ですが、蒲田は町工場ばかりです。そして双方は反撥しあっています。石原慎太郎は、大森のほうなのでしょうが、この際、ぜひ同じ区である蒲田の数多くの優秀な中小零細企業を守ってほしいものです。国と金融庁と官僚たちの冷たい仕打ちに是非とも闘ってほしいものです。（2002.07.15）

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12020606　石原都知事の「三国人」発言に関するＵＰをありがとうございました。私も何かいわなきゃと思ってはいるのですが、もう石原慎太郎の顔を思い浮かべるだけで不快になるもので、考え続ける気になりません。私は彼のやった銀行に対する「外形標準課税」が許せないのです。結局、彼はこの銀行のことも「三国人」だと思っているわけだと私には思えます。
　ナチスのやったベルリンでの水晶事件を思い出します。ナチスが当初敵としたのは、ユダヤ人、共産主義者、資本家でした。ドイツの大部分の大衆はそれを支持し、それどころか、一緒になってユダヤ人の商店を破壊して回りました。
　私は、今右翼の街宣車が（どこの右翼だか知らないけれど）、「石原都知事の銀行に対する外形標準課税を断乎支持する！」などとがなりたてているのを目の前にして、本当に嫌になります。石原慎太郎と街頭右翼と日本共産党が、一緒に並んで彼らの言う「三国人」を攻撃しているさまが見えてくるような気になります。彼らは言うのですね。「ほとんどの大衆はわたしたちを支持してくれている」。ナチスも大政翼賛会も同じでした。
　この三派連合に加わりたいのが、東京自民党と公明党とその他もろもろです。自民党は少しはうつむきながら、後ろへついていくんだろうな。
　私の「石原都知事の増税案に反対する！」のページも、もっとちゃんと書かなければいけないよなとは思っているのですが、なんだか思うに任せません。

　そうですね、石原のやる増税策（もう案じゃなくなった）について、この掲示板でまだ書いてないことをいいますと、次のような指摘です。
　彼がやる銀行への増税案は、「法人事業税」の徴税です。だけど、これは当りまえ、かつ誰もがすぐ指摘できることなのだけれど、事業税というのは、その「申告した期の損金として計上できます」から、東京都は最初の年は税収は増えますが、その次の年には、その分は各銀行ともに「租税公課」という費用が増えて、結果として利益が減りますから、その分、事業税も都民税（法人住民税）も減収になります。当然国税も減ります。当然同時に、例えば千葉県の法人県民税も、私の住む我孫子市の法人市民税も減ります。
　そしてですね、私が指摘していましたように、銀行が東京都およびその外郭団体への貸し出し金利を少しあげれば、銀行はもうチャラになるでしょうが、我が日本国や、千葉県（もちろんそのほかの県も）や我孫子市（もちろんそのほかの市や町も）も税収が落ち込むだけなのですね。だから、石原都知事がこの案を発表したときに、ほかの県の知事たちのうち、阿呆な知事は

　　我が県も検討する

などと言っていましたが、私が見るのには、まともな知事は、

　　石原さんはいいかもしれないけれど、そのおかげで次の年から
  は、私らの県の税収は確実に減るじゃないか。

と指摘していました。
　私はあのときの各県の知事の発言で、こうした阿呆とまともをちゃんと見ておくべきだと思いますね。
　石原が、もっとやる気なら、損金参入できない、「都民税（法人住民税）」で、この外形標準課税を適用すればいいじゃないの。でも、なんでそうしないかというと、「そこまでやるほどの根性がない」のですよ。確実に反対する声が上がってきたでしょう。
「石原を都民は支持している」だって？　うん、そうだね、ナチスも大政翼賛会も、石原より大衆に支持されていましたね。だから、どうなったの？「銀行はひどいからいいけれど、三国人発言はいけない」と思う人たち！　その発想そのものが、だめなのですよ。（2000.04.19）

　私が石原都知事の外形標準課税を言いだして、ほとんどの政党および都民が賛成しているということを聞いて、すぐに思い浮かべた言葉が次の内容です。

　「ナチが共産主義者を襲ったとき、自分はやや不安になった。け
  れども結局自分は共産主義者ではなかったので何もしなかった。
  それからナチは社会主義者を攻撃した。自分の不安はやや増大し
  た。けれども依然として自分は社会主義者ではなかった。そこで
  やはり何もしなかった。それから学校が、新聞が、ユダヤ人が、
  というふうに次々と攻撃の手が加わり、そのたびに自分の不安は
  増したが、なおも何事も行わなかった。さてそれからナチは教会
  を攻撃した。そうして自分はまさに教会の人間であった。そこで
  自分は何事かをした。しかしそのときにはすでに手遅れであった」
        　    （ナチスに対して果敢に抵抗したとされるルター教
              会牧師マルチン・ニメラーの戦後における告白。丸
              山真男「現代政治の思想と行動」より引用）

　外形標準課税というのは、さまざまな標準が考えられているわけですが、もともと国家がやりたがっていた課税方法です。法人税というのは、個人と同じようにその法人の所得にかけられます。だから所得のないところ、赤字のところは法人税は０です。それが気にいらないのでしょうが、赤字だろうがなんだろうが徴税できるいうのが、この外形標準課税です。だが当然反対されるに決っています。だから、大部分の大衆が嫌っている部分から狙い撃ちにするのです。
　ヒトラーが各個撃破して行ったのは、共産主義者、社会主義者、ユダヤ人、資本家、教会だけではありません。そのほか、ジプシー、身障者、同性愛者、エホバの証人等々の、社会から異端とされる部分を各個撃破していきました。みな誰も、「俺とは関係ない、むしろ、あの連中はこんな駄目な存在だ」と思っていたことでしょう。それがマルチン・ニメラーの反省の言葉につながります。

　　もしも、共産主義者やユダヤ人が攻撃されたときに、私たちキ
  リスト者が連帯して反対することができたのなら、あんな事態を
  防げていたのに。

というマルチン・ニメラーの痛いほどの思いを、私は最初に感じていたものです。
　そういえば、私が書いた次の書評も参考にしていただけますか。

　　フィリップ・カー「ベルリン三部作」

　私たちよりすいぶん若い作家がこれだけのことを書いているのです。（2000.04.20）

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#マルチン・ニメラー

12020110　石原都知事が、いわゆる東京都の事業税に関して、「外形標準課税」という増税案を出してきたことに関して、ほとんどの党派政党は、賛成の意見のようである。このときにあたり私周は、この増税案こそは、やがて国全体によるすべての企業への「外形標準課税」という名の増税の先駆けとなり、いわゆるほとんどの中小企業はやっていけなくなるのではということを、おおいに危惧します。　そこで、ここで、このページを設け、この問題に関する情報の発信を行っていきたいと考えました。（2000.03.05）
　以上のように考えていたわけですが、その後、ここでリンクしていた都議会議員の方のホームページも行方が判らなくなり、私も忙しいまま、この問題を展開していけませんでした。そこで、私が今まで、この問題について「周の掲示板」にて書いたことを、再度まとめて、ここにＵＰしておきます。（2001.05.05）
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#石原都知事の増税案
#東京都の事業税に関して
#外形標準課税

1112080111120802　いやはや、なんだか毎日追われるように忙しくて、大変です。いや、なにもかも間に合いますかな。
  それで、この「周の発言」も書いていられません。それで、できたら３月から、この発言もCGIを使ったページにしていこうかなと思っています。CGIなら、どこでも、そのまま書き込めますから、今より簡単になります。一旦ページを作成してから、サーバーに転送するという手続きがなくなり、そのまま書き込むか、エディタで書いたものを貼り込むかですんでしまいますから、楽なのです。私の「周の雑読備忘録」も実に楽に書き込めます。思えば、最初から、いやせめて昨年のうちからでも気がついて、このシステムにしていれば、もっといろいろな本の備忘録ができたのになあと思いました。ただ、当初の目的の、これから、さらに「周の本の備忘録」へのＵＰ、さらには各「周の書評」へのＵＰにつなげるということは、なかなかできていません。せっかく感激した内容の本で、おおいに内容について思いを述べたいと思いましても、なかなかそのことを書いていられません。でも、とにかく頑張らないといけないですね。
　それから、石原都知事の外形標準課税の導入について、私はやっぱり許せません。それで、都議会でいわば一人だけで異議を称えるいる方がいます。毎日新聞の２月１７日の「都議一人だけＮＯと言った」という記事で知りました。この方のホームページが以下です。

　　ふくちよしこのホームページ
　　（２０１１年12月現在このＨＰはありません）

　ぜひ読んでみてください。たとえ、今回の増税案が決定されてしまうとしても、こうした異議を言っておくことは大事なことだと思います。
　だんだん思うのだけれど、今回増税したとしても、逆に銀行が東京都への貸付金の低利な金利をあげれば、銀行のほうはそれでチャラになっちゃうよ。都にたいしてだけじゃなくて都関係の企業とか、そしてほかの中小企業への融資ほかのサービスもどうなっちゃうのかな。石原都知事としては、増税して、そしていろいろと経費が増えたって、それは問題ないということなのだろうけれど、そもそも、こうして財政難になった根本的なことを直してほしいものです。「民の竈はにぎわいけり」とまで、徴税を待つづけた仁徳天皇のようにやれとまではいわないけれど、そのくらいの気概があるべきじゃないのかな。
　なんか、とにかく不快です。（2000/02/26 8:08:08）

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