ソドムのことは、この時代には大きなことだったのでしょうね。ソドムとゴモラという都市は舊約聖書の『創世記』に出てくる背徳の街です。キリスト教徒でもなく、『聖書』そのものにもさして興味を持たない私ですが（舊約聖書はユダヤ教の聖典です）、ただこの１７章に出てくるソドムで思い出しただけなのです。
第１７章
イエス弟子たちに言ひ給ふ『躓物（つまづき）は必ず來（きた）らざるを得ず、されど之を來らす者は禍害（わざはひ）なるかな。この小き者の一人を躓（つまづ）かするよりは、寧ろ碾臼の石を頸に懸けられて、海に投げ入れられんかた善きなり。汝等みづから心せよ。もし汝の兄弟罪を犯さば、これを戒めよ。もし悔改めなば之をゆるせ。もし一日に七度なんぢに罪を犯し、七たび「悔改む」と言ひて、汝に歸らば之をゆるせ』
使徒たち主に言ふ『われらの信仰を増したまへ』主いひ給ふ『もし芥種一粒ほどの信仰あらば、此の桑の樹に「拔けて海に植（うわ）れ」と言ふとも汝らに從ふべし。汝等のうち誰か或は耕し、或は牧する僕を有（も）たんに、その僕畑より歸りたる時、これに對ひて「直ちに來り食に就け」と言ふ者あらんや。反つて「わが夕餐の備をなし、我が飮食（のみくひ）するあひだ、帶（おび）して給仕せよ、然る後に、なんぢ飮食すべし」と言ふにあらずや。僕、命ぜられし事を爲したればとて、主人これに謝すべきか。かくのごとく汝らも命ぜられし事をことごとく爲したる時「われらは無益なる僕なり、爲すべき事を爲したるのみ」と言へ』
イエス、エルサレムに往かんとて、サマリヤとガリラヤとの間をとほり、或村に入り給ふとき、十人の癩病人これに遇ひて、遙に立ち止り、聲を揚げて言ふ『君イエスよ、我らを憫みたまへ』イエス之を見て言ひたまふ『なんぢら往きて身を祭司らに見せよ』彼ら往く間に潔められたり。その中の一人、おのが醫されたるを見て、大聲に神を崇めつつ歸りきたり、イエスの足下に平伏して謝す。これはサマリヤ人なり。イエス答へて言ひたまふ『十人みな潔められしならずや、九人は何處に在るか。この他國人のほかは、神に榮光を歸せんとて歸りきたる者なきか』かくて之に言ひたまふ『起（た）ちて往け、なんぢの信仰なんぢを救へり』
神の國の何時きたるべきかをパリサイ人に問はれし時、イエス答へて言ひたまふ『神の國は見ゆべき状（さま）にて來らず。また「視よ、此處に在り」「彼處に在り」と人々言はざるべし。視よ、神の國は汝らの中に在るなり』
かくて弟子たちに言ひ給ふ『なんぢら人の子の日の一日を見んと思ふ日きたらん、されど見ることを得じ。そのとき人々なんぢらに「見よ彼處に、見よ此處に」と言はん、されど往くな、從ふな。それ電光（いなづま）の天の彼方より閃（ひらめ）きて、天の此方に輝くごとく、人の子もその日には然（しか）あるべし。されど人の子は先づ多くの苦難を受け、かつ今の代に棄てらるべきなり。ノアの日にありし如く、人の子の日にも然あるべし。ノア方舟に入る日までは、人々飮み食ひ娶（めと）り嫁ぎなど爲（し）たりしが、洪水きたりて彼等をことごとく滅（ほろぼ）せり。ロトの日にも斯くのごとく、人々飮み食ひ、賣り買ひ、植ゑつけ、家造（やづく）りなど爲たりしが、ロトのソドムを出でし日に、天より火と硫黄と降りて、彼等をことごとく滅（ほろぼ）せり。人の子の顯（あらは）るる日にも、その如くなるべし。その日には、人もし屋（や）の上にをりて、器物（うつわもの）家の内にあらば、之を取らんとて下るな。畑にをる者も同じく歸るな。ロトの妻を憶へ。おほよそ己が生命を全うせんとする者はこれを失ひ、失ふ者はこれを保つべし。われ汝らに告ぐ、その夜ふたりの男、一つ寢臺（ねだい）に居らんに、一人は取られ一人は遣（のこ）されん。二人の女ともに臼ひき居らんに、一人は取られ一人は遣されん』[なし]弟子たち答へて言ふ『主よ、それは何處（いづこ）ぞ』イエス言ひたまふ『屍體（しかばね）
のある處には鷲（わし）も亦あつまらん』
しかし、この『ルカ傳』はなかなか読むのが私には大変な思いです。自分には、「仕方ないんだよ。もともと学んで来なかったのだから」と言っています。
