この人のことは、いつも青年日本の歌（昭和維新の歌）で思い浮かべています。最初の
一 汨羅の淵に波騒ぎ
巫山の雲は乱れとぶ
混濁の世に我立てば
義憤に燃えて血潮沸く
で、「汨羅の淵」とは、屈原が身を投げたところであり、最後の
十 やめよ離騒の一悲曲
悲歌慷慨の日は去りぬ
われらが剣（つるぎ）今こそは
廓清の血に躍るかな
では、屈原の『楚辞』の『離騒』のことが出てきます。もう悲しみにふけるときではなく、剣を持って立ち上がるのだということでしょう。
ただ、上の昭和維新の歌のことはさておき、この屈原の『楚辞』のすべてが、屈原自身の作ではなく、全部で１７巻のうち、「離騒」「九歌」「九章」「遠遊」「招魂」のみが屈原の書いたものだということです。
私は「天問」「漁父」も屈原の作だと思い込んでいまして、でも今違うのだということが判りました。私が読んでいても、あまりに内容が違うし、「漁父」の出てくる屈原もなんだか私にはしっくりきませんでした。でもこれで納得できたものでした。
この屈原を悼むことで、やがてが、沖縄の沖縄のハーリー祭りとか長崎のペーロン競争とかいうボート漕ぎ競争が始まったといわれています。また、５月５日の端午の節句も最初は、この汨羅の淵に身を投げた屈原の魂を悼むためのものです。
いえ、これはインターネットで調べたら、以下が出てきまして、それを参照しました。
青年日本の歌（今はないです。また私の今のブログで書く気ではいます）
いえいえ、これはなに、昔に私の書いたものでしたね。ときどき、インターネットで検索していて、自分のホームページに突き当たることがあるのです。
でも、この『楚辞』は、岩を穿って書かれたものです。その頃（中国の戦国時代）は、中国には紙がありませんから。もちろん、この日本も存在もあやふやなときです。
ただ私はいつも、彼の書いた楚辞よりも、彼の悲しい生涯を思い浮かべます。戦国時代は、秦が統一するわけですが、秦と一番対抗した楚が、屈原の愛する祖国でした。その祖国を思って屈原は汨羅に身を投げるわけなのです。
いつも私は、孫のポコ汰を思うとき、５月の端午の節句のときも、この屈原のことを思い出しています。（2011.06.10）
