このところ将門Webや藤田典さんの「ダダさんの掲示板」で、いくつか書いていました。
それで私は自分が読んだ文学作品で、ぜひとも書きたいのに、書けない作品があるのです。それは魯迅の『狂人日記』です。私は以下のように魯迅の作品については書いてきています。
薬
阿Q正伝
ノラは家出してからどうなったか
野草ー犬の反駁ー
でも
狂人日記
については、書こう書こうと思うばかりで、少しも書けていないのですね。
私が最初に魯迅の作品を読んだのは、中学2年のときに、岩波文庫の『野草』でした。そのあとすぐに竹内好訳の「阿Q正伝・狂人日記」でした。
そして中でも一番強くひき付けられたのが『薬』という短い小説でした。そしてこの文庫本を何度も読み返し、高校時代に一度、大学へ入って一度読み、大学4年の秋にもう一度読みました。そして、『薬』にも『阿Q正伝』にも、強くひきつけられました。
だが私には『狂人日記』はどうしても分からない、というか、怖くてたまらない作品にしか思えませんでした。人が人を食うという、そしてそれは自分もやってきたんものではないかと思う、この狂人です。 なんとか、今度こそ読みまして、その読んだ読後感をここに書いてみます。もう竹内好の訳では何度も読んできました。今度は高橋和巳訳で読んでみます(もちろん、もう何度も読んでいますが)。そしてなんとか私が書けないのでは、私自身がどうしようもない存在だということだけです。